KAIKOU

投稿日:2025年06月22日

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【宮薗節】
宮薗節は物語りを重要とする浄瑠璃(※)の一つです。
情緒豊かであでやかな節回しと、重厚で艶やかな音色の三味線が特徴です。永井荷風の小説『雨瀟瀟(あめしょうしょう)』で荷風は、薗八節は浄瑠璃の中でもっともしめやかである、と評しています。
江戸時代に京都で宮古路薗八(みやこじ そのはち)が語り始め薗八節と呼ばれ、二世の薗八が宮薗鸞鳳軒(みやぞの らんぼうけん)が名を改めたので宮薗節といわれるようになりました。
文化庁の国指定文化財等のデータベースには以下のように記載されています。「宮薗節は、わが国の芸能史上重要な地位を占めるとともに、日本音楽の中で芸術上高度な価値を有する」と。
1993年4月に重要無形文化財に指定され、宮薗千碌、宮薗千佳寿弥が人間国宝の各個認定を受けられております。
 ※浄瑠璃とは、三味線を伴奏として、太夫が詞章を語る音曲をいい、現在、義太夫節、河東節・一中節・宮薗節・常磐津節・富本節・新内節・清元節があります。

参考(リンク) 独立行政法人日本芸術文化振興会文化デジタルライブラリー
・宮薗節
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc29/kiku/genre/shamisen/other/miyazono/index.html
・人形浄瑠璃文楽
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc26/index.html

【主な出演者のプロフィール】
宮薗千よし恵(みやぞの せんよしえ)
1968年、初代蓼胡茂に師事し、小唄を学ぶ。1984年、二代目蓼胡茂を襲名。1975年、清元美治郎に師事し、清元を学ぶ。1978年、清元延美光の名を許される。1976年、宮薗千恵に師事し、宮薗節を学ぶ。1985年、宮薗千よし恵の名を許される。2010年、重要無形文化財「宮薗節」保持者(総合認定)。1983年、東明柳舟に師事し、東明流を学ぶ。1984年、東明霽舟の名を許される。荻江節を荻江喜代栄に師事。2010年に、荻江しげるの名を許される。2025年、小唄蓼派会会長に就任。

宮薗 千佳寿弥(みやぞの せんかずや)
幼少より養母・春日とよ津満に師事し、小唄を学ぶ。1967年、清元若寿太夫に師事し、清元を学ぶ。若寿太夫没後、清元栄三に師事。1969年、春日とよ津満子の名を許される。1973年、東明吟水(荻江つま・四世宮薗千寿)に師事し、東明流と荻江節を学ぶ。宮薗千寿弥に師事し、宮薗節を学ぶ。1975年、東明伶舟の名を許される。1976年、宮薗千佳寿弥の名を許される。1981年、荻江津弥の名を許される。2002年、宮薗節浄瑠璃方から三味線方に転向。2010年、重要無形文化財「宮薗節」保持者(総合認定)。二代目小唄春日とよ津満襲名。2011年、清栄会奨励賞(宮薗節三味線)。2023年、重要無形文化財「宮薗節三味線」保持者(各個認定)。2024年、重要無形文化財「荻江節 唄」保持者(総合認定)。2025年、旭日小綬章受章。

桐竹勘十郎(きりたけ・かんじゅうろう)
1953年、大阪府生まれ。1967年、文楽協会人形部研究生になり、三世吉田簑助に入門、吉田簑太郎を名乗る。2003年、父・二世桐竹勘十郎の名跡を継ぎ、三世桐竹勘十郎を襲名。2021年、重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。2025年、日本芸術院会員。【受賞・著書】咲くやこの花賞(1986年)、大阪府民劇場賞(1988年)、松尾芸能賞優秀賞(1999年)。芸術選奨文部科学大臣賞(2008年)、紫綬褒章(2008年)、日本芸術院賞(2010年)、など多数。著書に『一日に一字学べば……』(コミニケ出版)などがある。

吉田玉男(よしだたまお)
1953年、大阪府生まれ。1968年、中学3年時に初代吉田玉男に弟子入り。1969年、吉田玉女を名乗り初舞台。2015年4月に師匠の名跡を継ぎ、二代目吉田玉男を襲名する。2023年7月、重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。【受賞・著書】伝統文化ポーラ賞(2012年)、日本芸術院賞(2014年)、紫綬褒章受章(2020年)。松尾芸能賞(2023年)、八尾市文化特別賞(2023年)など多数。
著書に『文楽をゆく』(小学館)、桐竹勘十郎氏との共著に『文楽へようこそ』(小学館)がある。

古川 諒太
1996年北海道室蘭市生まれ。2019年東京大学文学部言語文化学科卒業、2021年同大学院人文社会系研究科修士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科助教。専門は江戸文学、歌舞伎。

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